『鬼滅の刃』の物語が最高潮を迎える「無限城編」。その幕開けとなるコミックス17巻「受け継ぐ者たち」は、まさに息をのむような見どころが満載です。鬼殺隊士たちは、宿敵・鬼舞辻無惨の根城である無限城へ突入。そこで待ち受けるのは、因縁の上弦の鬼たちとの壮絶な死闘です。
この巻では、胡蝶しのぶの悲壮な決意、我妻善逸の劇的な覚醒、そして竈門炭治郎と冨岡義勇が宿敵・猗窩座と繰り広げる激闘が描かれ、読者の胸を熱くします。本記事では、『鬼滅の刃』17巻の主要な見どころを深掘りし、各キャラクターの心情や成長、そして彼らが直面する困難について詳しく解説していきます。アニメ「無限城編」の劇場三部作での制作も決定し、今、改めてこの17巻の重要性が増しています。
無限城の激戦、それぞれの運命が交錯する17巻の全貌
『鬼滅の刃』第17巻「受け継ぐ者たち」は、鬼舞辻無惨の本拠地である無限城への突入という衝撃的な展開で幕を開けます。鬼殺隊士たちは、無惨を倒し、妹の禰豆子を人間に戻すという唯一の希望を胸に、壮絶な戦いへと身を投じます。
この巻で描かれるのは、まさに「無限城編」の序章であり、鬼殺隊と十二鬼月、特に上弦の鬼たちとの本格的な死闘が始まる瞬間です。登場人物たちがそれぞれの宿命や因縁と向き合い、大きな成長を遂げる重要な節目が、ここに凝縮されています。
産屋敷家の悲壮な指揮と受け継がれる役割
無限城の戦いは、鬼殺隊当主・産屋敷輝利哉が、わずか8歳という若さで指揮を執るという、極めて過酷な状況下で進行します。父を失ったばかりの輝利哉が、妹たちと共に冷静に戦況を把握し、隊士たちに指示を出す姿は、その悲壮さと、幼いながらも背負う責任感の重さに、多くの読者が深い感情を抱かずにはいられません。
彼の背後には、元音柱・宇髄天元や元炎柱・煉獄槇寿郎といった歴戦の剣士たちが控えており、次世代へと受け継がれていく鬼殺隊の強い意思が描かれています。また、珠世が作った人間に戻る薬を飲んだ禰豆子は、鱗滝左近次に見守られながら回復に努めており、彼女の存在が炭治郎たちの戦いを支える大きな希望となっています。
蟲柱・胡蝶しのぶ、怒りの決意と受け継がれる想い
第17巻冒頭では、蟲柱・胡蝶しのぶと上弦の弐・童磨との激しい戦いが描かれます。彼女の戦いは、ただ鬼を討つだけでなく、親や姉・胡蝶カナエ、そして多くの継子たちを殺した童磨への深い「怒り」に満ちた復讐戦でした。しのぶが「ずっとずーーっと怒ってますよ」と心の底からの感情を露わにする姿は、読者の心に強く響きます。
毒が効かない絶望とカナヲへの伝達
しのぶは渾身の一撃で童磨の頸に毒を叩き込みますが、童磨は毒を瞬時に分解してしまう能力を持っていました。彼女は「なんで毒効かないのよコイツ」と心の中で叫び、絶望的な状況に追い込まれます。
童磨はしのぶを褒めながらも、他者の感情を理解しない異質な存在として描かれ、その冷酷さがしのぶの怒りをさらに煽りました。最終的にしのぶは童磨に敗れ、吸収されてしまいますが、その直前に駆けつけた継子の栗花落カナヲに何らかの情報を指で伝えたと示唆されています。これは、鬼殺隊の隊士たちが自らの命を顧みず、次の者へと想いや情報を繋いでいく「受け継ぐ者たち」という17巻のテーマを象徴する、感動的な場面です。
我妻善逸、臆病を乗り越え兄弟子・獪岳との因縁に決着
我妻善逸の戦いは、『鬼滅の刃』17巻のもう一つの大きな見どころです。善逸は、無限城でかつての兄弟子である獪岳と再会します。しかし、獪岳は上弦の壱・黒死牟から血を与えられ、新しく上弦の陸となった鬼へと変貌していました。
さらに悲しいことに、獪岳が鬼になった責任を取り、師範である桑島慈悟郎(じいちゃん)が介錯なしで切腹して亡くなったことが、善逸の元に届いた手紙で明らかになります。獪岳は師範の死を嘲笑し、自己中心的で承認欲求の強いその性格が色濃く描かれます。この理不尽な事態が、普段は臆病で泣き虫な善逸の内なる怒りと真の勇気を呼び覚ますのです。
善逸の劇的な覚醒と自創の「漆ノ型」
この戦いで、善逸はこれまでの自分とは全く異なる姿を見せます。以前は気を失った時にしか力を発揮できなかった善逸が、今回は意識がある状態で、強い決意と怒りを胸に戦い抜きます。獪岳の挑発に対し、「おせーんだよ、クズ」と言い放つその姿は、多くの読者に衝撃を与えました。
そして、善逸が繰り出すのは、師範から教わったものではなく、彼自身が孤独な努力の末に編み出した「雷の呼吸 漆ノ型・火雷神」です。彼はこの技で、獪岳と「いつか肩を並べて戦いたかった」という複雑な思いを抱きながらも、師範の無念を晴らし、因縁に決着をつけます。この善逸の覚醒と漆ノ型の描写は、アニメ「無限城編」での映像化が大いに期待される重要な見どころであり、ファンからは「雷の攻撃と雷の効果が本当に好き」と絶賛されています。
竈門炭治郎&冨岡義勇、炎柱の仇・上弦の参・猗窩座と激突
『鬼滅の刃』17巻の最大の見どころの一つが、竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇が、かつて炎柱・煉獄杏寿郎を殺害した上弦の参・猗窩座と激突する場面です。炭治郎にとって、猗窩座は単なる敵ではなく、心の師である煉獄さんの仇であり、この戦いには深い因縁と感情が込められています。
猗窩座は無限列車での戦いから著しく成長した炭治郎の実力を認めつつも、「杏寿郎はあの夜死んで良かった」と侮辱する発言をします。この言葉が炭治郎の怒りを爆発させ、「強い者は弱い者を助け守る」という煉獄から受け継いだ信念を、猗窩座の「弱者には虫唾が走る」という哲学に真っ向からぶつけます。
冨岡義勇の「痣」発現と「透き通る世界」への片鱗
炭治郎と猗窩座の激闘に加わるのは、水柱である冨岡義勇です。義勇は猗窩座との戦闘の中で、自身の体に「痣」を発現させ、さらなる力を引き出します。これは柱としての彼の底知れない強さと、鬼殺隊の最終決戦における重要な覚醒を示しています。
また、炭治郎は猗窩座の正確無比な攻撃の秘密を探る中で、病弱だった父・炭十郎が巨大な熊の首を手斧で切り落とした光景を思い出します。父の行動に「殺気を感じなかった」という記憶から、炭治郎は「透き通る世界」へと至るヒントを見出そうとします。この高次元な感覚の描写は、『鬼滅の刃』17巻における戦闘の面白さを一層引き立てる、まさに必見の見どころと言えるでしょう。
無限城編アニメ化への期待と17巻が持つ意味
『鬼滅の刃』のアニメ「柱稽古編」の最終回放送後、原作の「無限城編」が劇場3部作として制作されることが発表されました。これはファンにとって朗報であり、ufotableによる圧倒的な映像美と戦闘描写が、さらにスケールアップした形でスクリーンで展開されることが期待されます。
特に、善逸が「雷の呼吸 漆ノ型・火雷神」を繰り出すシーンは、アニメでも大きな見どころとなるでしょう。目がくらむような速さで動く善逸の技と、雷のエフェクトは、まさにUfotableの「本気」を感じさせるはずです。
ストーリーの核心「受け継がれる意志」の重み
『鬼滅の刃』17巻のサブタイトルでもある「受け継ぐ者たち」は、この巻全体を貫く重要なテーマです。胡蝶しのぶの意志がカナヲに、煉獄杏寿郎の意志が炭治郎に、そして桑島慈悟郎の教えが善逸に、それぞれ受け継がれていく様は、鬼殺隊が個々の命を賭して戦い、次世代へとその思いを繋いでいく覚悟を強く示しています。
これは、吾峠呼世晴先生が「犠牲の概念をよく理解している」と評される理由の一つであり、「誰もが常に安全ってわけじゃない」という現実の厳しさの中で、登場人物たちが何を「受け継ぎ」、何を「守ろう」とするのかが深く描かれています。この巻は、登場人物たちの内面が深く掘り下げられ、彼らの成長と鬼殺隊の結束が試される、感動と衝撃に満ちた一冊です。
まとめ:『鬼滅の刃17巻』で「受け継がれる意志」の重みを体感しよう!
『鬼滅の刃』第17巻「受け継ぐ者たち」は、鬼殺隊と鬼舞辻無惨配下の十二鬼月が激突する「無限城編」の核心を描く、非常に濃密な一冊です。
この巻の最大の見どころは、以下の3点に集約されます。
- 蟲柱・胡蝶しのぶの悲壮な覚悟と犠牲
- 我妻善逸が臆病な自分を乗り越え、自らの手で編み出した「漆ノ型・火雷神」で兄弟子・獪岳との因縁に決着をつける劇的な覚醒
- 竈門炭治郎と冨岡義勇が炎柱・煉獄杏寿郎の意志を受け継ぎ、宿敵・猗窩座と繰り広げる哲学的な激闘
特に、善逸の成長は多くのファンから絶賛され、彼が真の戦士へと変貌を遂げる過程は感動的です。また、炭治郎が父・炭十郎の記憶から「透き通る世界」の片鱗に触れる場面は、今後の彼の戦いにおける大きな鍵となることを予感させます。これらの戦いは、単なる強さの追求だけでなく、「受け継がれる思い」という『鬼滅の刃』の根幹をなすテーマを深く掘り下げています。
アニメ「無限城編」として劇場三部作での制作が発表されており、これらの見どころがufotableの圧倒的なアニメーションでどのように表現されるか、今後の展開にますます期待が高まります。『鬼滅の刃』17巻は、キャラクターたちの成長と絆、そして壮絶な運命が交錯する、決して見逃せない必読の巻です。
今すぐ『鬼滅の刃』17巻を読み返し、無限城の激戦に備えましょう!