『オルクセン王国史』の2巻、実は派手な戦闘シーンはほとんどありません。
「え、戦記なのに?」とがっかりするのはまだ早い!この巻の本当の面白さは、戦争を裏で支える**「兵站」や「国家運営」の圧倒的なリアルさ**にあります。
本記事では、『オルクセン王国史』第2巻のあらすじから核心に迫るネタバレ、そして「ここが凄い!」と唸った見どころまで、読んだからこそわかる魅力を徹底解説。
この記事を読めば、あなたもきっと3巻が待ちきれなくなるはずです。
そもそも『オルクセン王国史』とは?作品の基本情報
『オルクセン王国史』は、「剣と魔法」から「銃と魔法」へと移り変わる時代を舞台にした、全く新しい近代ファンタジー戦記です。
原作は樽見京一郎氏によるWEB小説(小説家になろう/カクヨム連載)で、第2回一二三書房WEB小説大賞を受賞。作画を『ガールズ&パンツァー』などで知られる野上武志氏が担当し、その緻密な世界観に命を吹き込んでいます。
物語の中心は、高度な文明を築いたオーク族が率いる魔種族連合国家オルクセン王国(モデル:ドイツ)と、伝統を重んじるエルフの国エルフィンド(モデル:デンマーク)との対立。
そして第2巻で描かれるのは、来るべき戦争に向けた**「戦争準備編」**。戦闘そのものではなく、物資の調達、兵士の訓練、外交交渉といった、戦争を始めるための地道でリアルな舞台裏が中心となります。
【ネタバレ】オルクセン王国史 2巻のあらすじ|国を挙げた戦争準備
物語は、オルクセン王国が隣国エルフィンドへの侵攻を決意し、その準備を進める場面から始まります。しかし、それは単なる軍備増強ではありませんでした。
戦争は前線だけで起きているんじゃない!国全体を巻き込む兵站のリアル
2巻の最大の特徴は、戦争がいかに国全体の総力戦であるかを克明に描いている点です。
- 食料統制計画: 兵士たちの食料を確保するため、国内の食料生産と配給を管理。
- 兵站の整備: 大量の物資を前線へ運ぶため、鉄道網を整備し、輸送計画を練り上げる。
- 国民の協力: 兵士だけでなく、農民、職人、商人、鉄道技師まで、あらゆる国民がそれぞれの立場で戦争に協力していく。
本作は、「戦争の勝敗は、前線の兵士だけでなく、後方支援の緻密さで決まる」という現実を、ファンタジーの世界で徹底的に描き出しているのです。
なぜ企業は協力するのか?背景にある歴史的怨恨
戦争準備には、民間企業の協力が不可欠です。驚くべきことに、多くの経営者たちは利益のためだけでなく、エルフィンドへの復讐心から協力を申し出ます。
彼らの多くは、過去にエルフィンドから不当な扱いを受け、財産や家族を奪われた経験を持っていました。これは国家間の争いというだけでなく、人々の個人的な感情や長年の憎しみが複雑に絡み合った戦争であることを示しており、物語に深い奥行きを与えています。
転生者グスタフ王の苦悩とリーダーシップ
この壮大な計画を率いるのが、現代日本の知識を持った転生者、グスタフ・ファルケンハイン国王です。
彼は卓越した戦略眼で国を導く一方、その温かい人柄で国民から絶大な信頼を得ています。兵士一人ひとりの命を大切に思いながらも、彼らを死地へ送り出さなければならない。そのリーダーとしての覚悟と葛藤する姿は、本作の感情的な核となっています。
オルクセン王国史 2巻はここが凄い!3つの見どころ
緻密なストーリーの中でも、特に注目してほしい3つのポイントをご紹介します。
見どころ①:戦闘より面白い?「異世界兵站」という新しい魅力
本作の最大の魅力は、なんといっても**「兵站」の面白さ**です。
物資をどう集め、どう運び、どう管理するのか。その一つ一つのプロセスが驚くほど丁寧に描かれており、リアリティの高さに思わず唸ってしまいます。戦争を「戦闘」という点ではなく、「国家運営」という線で描くことで、他の戦記物とは一線を画す奥深さを生み出しています。
見どころ②:深まる絆と過酷な現実。魅力的なキャラクタードラマ
国家規模の大きな話だけでなく、個々のキャラクターが織りなす人間ドラマも見逃せません。
- グスタフとディネルース: ダークエルフの氏族長ディネルースとの関係が進展。公私にわたるパートナーとして、二人の信頼関係が深まっていく様子は心温まります。
- タウベルトの再登場: 1巻で登場した純朴な青年兵士タウベルトが再登場。彼の成長と、戦争という過酷な現実に直面する姿が描かれます。
- 曹長とリア大尉: 訓練中の事故をめぐる二人のやり取りは、軍隊という厳しい組織の中にある人間味を感じさせ、印象に残るシーンです。
見どころ③:飯テロ注意!オークの食文化と生活感
シリアスな展開が続く中、ほっと一息つかせてくれるのがオーク族の豊かな食事シーン。
農業改革によってもたらされた豊富な食材で作られる料理の数々は、非常に美味しそう(通称:オーク飯)。キャラクターたちの生活感が伝わってくると同時に、読者の食欲を刺激する、本作の隠れた人気要素です。
SNSでも絶賛の嵐!読者のリアルな感想・評価
SNS上では、本作のユニークな設定とリアルな描写に、熱狂的なファンからの声が多数寄せられています。
「やっぱり好きなやつでした。複数種族が近代的な国家で近代的な生活を送るの、良い…」
「オルクセン王国史、読むべし」
特に、多様な種族が共存し、近代的な国家を運営していくという設定が、多くの読者にとって新鮮な魅力として映っているようです。
また、第2巻の発売時に電子書籍セールの情報が作者に伝わっていなかったという裏話がSNSで話題になった際には、「セールで買っても応援になる」といった温かい声が多く見られ、ファンコミュニティの熱量の高さも伺えました。
まとめ:リアルな国家運営ドラマが好きな人へ。3巻への期待が高まる!
『オルクセン王国史』第2巻は、「戦争準備」という一見地味なテーマを、国家運営、兵站、そして人間ドラマという多角的な視点から描いた、非常に骨太な一冊です。
派手なアクションを求める人には物足りないかもしれません。しかし、
- リアルな国家運営やシミュレーションゲームが好きな人
- キャラクター同士の緻密な関係性を楽しみたい人
- 「異世界もの」の新しい可能性に触れたい人
には、間違いなく強くおすすめできます。
この入念な準備が、来るべき第3巻でどのような戦闘を引き起こすのか。今から期待が止まりません。まだ読んでいない方は、ぜひこのリアルな「戦争」を体験してみてください。