【鬼滅の刃】22巻ネタバレ感想｜伊黒の壮絶な過去と蜜璃への愛が泣ける！無惨との最終決戦を徹底解説

2020年、映画「無限列車編」の歴史的ヒットと共に、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ『鬼滅の刃』。その物語が最終局面に突入する第22巻「廻る縁」は、シリーズ累計発行部数1億部突破の金字塔を打ち立てた、ファン必読の重要な一冊です。

この巻で描かれるのは、宿敵・鬼舞辻無惨との壮絶な最終決戦。そして、これまで謎に包まれてきた蛇柱・伊黒小芭内の衝撃的な過去と、恋柱・甘露寺蜜璃への一途で切ない愛でした。

本記事では、『鬼滅の刃』22巻のあらすじと見どころを、ネタバレありで徹底的に深掘りします。なぜ伊黒の物語はこれほどまでに読者の心を揺さぶったのか？ 炭治郎が見出した逆転の鍵とは？ 涙なしには読めない名言の数々とともに、その魅力を余すところなくお伝えします。

絶望と希望が交錯する最終決戦！鬼殺隊VS鬼舞辻無惨

物語の舞台は、夜明けまで残りわずか1時間14分という極限状況。鬼殺隊士たちは、圧倒的な力を持つ無惨を夜明けの光に晒すため、文字通り命を削って食い止めようと死力を尽くします。

無惨の凄まじい攻撃は容赦なく柱たちを襲い、戦線は崩壊寸前に。

• 甘露寺蜜璃は顔面に深い傷を負い、戦線を離脱。
• 伊黒小芭内も両目を切り裂かれ、視力を失います。
• 他の柱たちも次々と深手を負い、絶望的な状況へと追い込まれていきます。

しかし、その窮地を救ったのは、鬼でありながら無惨と敵対した珠世の使い猫・茶々丸が届けた血清でした。血清によって一時的に回復した柱たち。さらに、愈史郎の血鬼術に助けられた善逸、伊之助、カナヲが戦線に復帰し、鬼殺隊は反撃の糸口を掴みます。

そして、ついに瀕死の重傷から復活を遂げた竈門炭治郎が戦場へ。顔半分が変貌するほどの覚醒を見せた炭治郎は、静かに、しかし力強く告げるのです。

「終わりにしよう 無惨」

この巻の主役！伊黒小芭内の壮絶すぎる過去と蜜璃への「ブレない愛」

22巻で最も読者の心を震わせたのは、間違いなく蛇柱・伊黒小芭内でしょう。初登場時の皮肉めいた言動から、一部では「雑魚キャラ」とまで言われた彼が、この巻で壮絶な過去を明かし、その評価を180度覆しました。

喰われるために生かされた少年

伊黒家は、蛇のような鬼を崇め、その鬼から奪った金品で生計を立てる歪んだ一族でした。370年ぶりに生まれた男である小芭内は、その鬼への「生贄」として、生まれてからずっと座敷牢に閉じ込められていたのです。

彼が常に包帯で口元を隠していた理由。それは、鬼によって無理やり引き裂かれ、蛇と同じようにされたおぞましい傷跡を隠すためでした。

自らの一族を「汚い血」と断じ、その業を背負う彼は、ただ無惨を倒して死ぬことだけを願っていました。

来世でこそ伝えたい、純粋な愛

そんな彼の暗い人生に光を灯したのが、恋柱・甘露寺蜜璃の存在でした。彼女の天真爛漫な明るさに救われた伊黒は、心の内で切ない想いを募らせます。

「もし君と何気ない日常で出会うことができたらどんなに良かっただろう」

そして、致命傷を負った蜜璃を庇いながら、彼は来世での再会を誓うのです。

「もう一度人間に生まれ変われたら 今度は必ず君に好きだと伝える」

自らの命を懸けて愛する人を守り抜く。その献身的な姿は、多くの読者の涙を誘いました。

逆転の鍵を握る2つの希望

絶望的な戦況の中、鬼殺隊が勝利を手繰り寄せるための「希望の光」が二つ示されます。

1. 炭治郎が繋いだ「日の呼吸」13番目の型

意識を失った炭治郎は、夢の中で自らの祖先・炭吉の記憶を追体験します。そこで目にしたのは、始まりの呼吸の剣士・継国縁壱が見せた「日の呼吸」の完全な形でした。

12ある型を、円を描くように夜明けまで絶え間なく繰り返すこと――それこそが、縁壱すら成し遂げられなかった「13番目の型」の正体だったのです。

かつて炎柱・煉獄杏寿郎から託された「心を燃やせ」という言葉を胸に、炭治郎は無惨を討つための最後の型へと挑みます。

2. 珠世と珠世としのぶが仕掛けた「四重の薬」という名の刃

鬼殺隊が無惨と渡り合えているのには、もう一つ大きな理由がありました。それは、無惨に吸収された珠世が、自身の命と引き換えに打ち込んだ「薬」です。

珠世と蟲柱・胡蝶しのぶが共同で開発したその薬は、以下の四段階の効果を持っていました。

• 第一の薬：鬼を人間に戻す薬
• 第二の薬：老化の薬（1分で50年老化させ、無惨を9000年分も弱らせた）
• 第三の薬：分裂阻害の薬
• 第四の薬：細胞破壊の薬

この「薬の刃」が無惨の再生能力を著しく低下させ、鬼殺隊の攻撃が通じる状況を生み出していたのです。それは、力だけではない、知略と執念がもたらした大きな勝機でした。

まとめ：絶望の先に見えた絆の光。『鬼滅の刃』22巻は涙なしには読めない！

『鬼滅の刃』22巻は、最終決戦の激しさだけでなく、キャラクターたちの深い内面と魂の繋がりを描き切った、シリーズ屈指の感動的な一冊です。

壮絶な過去を乗り越え、愛する人のために命を燃やす伊黒小芭内の姿。祖先の記憶と仲間たちの想いを受け継ぎ、最後の希望となる竈門炭治郎の覚醒。そして、命を懸けた知略で未来を切り拓いた珠世としのぶの執念。

一人ひとりの想いが重なり、巨大な敵に立ち向かっていく。単純なパワー勝負ではない、「全員で勝つ」という強い意志が、読者の心を打ちました。

まだ読んでいない方はもちろん、すでに読んだ方も、もう一度彼らの魂の叫びに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。きっと、新たな感動があなたを待っているはずです。