ミツゴシ商会を揺るがす経済戦争、そして新章オリアナ王国編へ! シドの「無自覚な格好良さ」が炸裂する第10巻の見どころを徹底解説します。
衝撃の経済戦争!「ジョン・スミス」の暗躍とミツゴシ商会の未来
漫画『陰の実力者になりたくて!』の第10巻は、主人公シド・カゲノー、ことシャドウが「ジョン・スミス」として活躍するミツゴシ商会を巡る信用不安騒動のクライマックスが描かれます。
この巻の核となるのは、シドが仕掛ける壮大な経済戦争です。いつものように「陰の実力者らしいムーブをしたい」という壮大な勘違いから始まった彼の行動が、周囲を巻き込みながらも、なぜか最善の結末へと導かれていく――本作の魅力が凝縮されています。
ジョン・スミス、最大の裏切り(誤解)とミツゴシの命運
前巻から続くミツゴシ商会VS大商会連合の経済的な対立は、この第10巻で頂点に達します。
- ジョン・スミスの正体: シドはシャドウガーデンにも秘密裏に「ジョン・スミス」と名乗り、白の塔主ユキメと手を組みます。
- シドの(勘違い)目的: 彼が目指すのは、「すべてはミツゴシを救うためだった」という、いかにも格好良い“裏切りからの劇的な帰還”ムーブ。
- シャドウガーデンの動揺: シドの行動は、アルファをはじめとするシャドウガーデンのメンバーには「シャドウ様による裏切り行為」と誤解されます。特にアルファの激しい動揺と狼狽は、読者の感情を強く揺さぶる見どころです。
シドの無意識の天才的行動と、シャドウガーデン側の深読みすぎる誤解が複雑に絡み合った結果、騒動はミツゴシ商会の一人勝ちという形で終結。ミツゴシ商会は、ミドガル王国の経済を文字通り表と裏から牛耳る大勢力へと成長を遂げます。
経済戦争の終結と新たな舞台への移動
騒動解決後、シドはアルファたちに**「裏切り行為を楽しんでいたことがバレるのが気まずい」**と感じます(もちろん、彼らの怒りの原因は「裏切り」ではなく「無断行動」ですが)。
その気まずさから逃れるため、彼は剣技大会で助けたローズ・オリアナ(ローズ先輩)の様子を見るという名目で、物語の舞台をオリアナ王国へと移すことを決めます。
【ネタバレ】アルファの心情とシャドウの“大事なモノ”
第10巻の最も劇的な展開と、今後の物語に深く関わる重要シーンを深掘りします。
アルファ、絶望と希望へのジェットコースター
アルファの心情の変化は、この巻のハイライトです。
| 状況 | アルファの感情 | 結果 |
| ジョン・スミスと対峙 | シャドウに裏切られたと絶望し、狼狽しながら襲いかかる。 | シャドウ(ジョン・スミス)に圧倒的な実力で軽くあしらわれ、敗北。 |
| イータの暗号解読 | シャドウが自分たちを見捨てていなかったと誤解し、絶望から一転して希望を見出す。 | シドはアルファが「自分の裏切りとデルタの勝手な利用」に怒っていると誤解し、オリアナ王国へ退避。 |
この「絶望から希望へ」と急変するアルファの感情描写は、読者の共感を呼ぶ素晴らしいシーンです。
ユキメと月旦の因縁、そしてシドの“大事なモノ”
騒動の黒幕である月旦との戦いでは、彼がユキメの元婚約者であったという衝撃の過去が判明します。しかし、物語の真の核心は、この因縁とは全く別の場所にありました。
- 月旦の目的: ディアボロス教団に加担し、強化錠剤を服用してシャドウに挑む。
- シャドウ(シド)の目的: 婚約の経緯など知る由もなく、自身が市場に流した**「大事な金貨」**を取り戻すことだけが目的。
月旦は敗北の際、ユキメを指差し、彼女を「大事なモノ」としてシャドウに託そうとします。しかし、シドはそれを**「金貨」を指している**と勘違い! この決定的な誤解が、ユキメがシャドウに想いを抱くきっかけとなり、最終的にミツゴシ商会と雪狐商会の協調関係へと繋がるのです。
ローズ・オリアナ、故郷での新たな試練
ミツゴシ騒動後、物語はオリアナ王国へ。シャドウガーデンの一員「666番」として活動していたローズ会長もまた、ディアボロス教団の影が潜むドエム派閥の城砦襲撃任務のため、故国へ潜入します。
しかし、ローズは自身の母親と予期せぬ再会を果たした後、運悪く教団の捕虜となってしまいます。この状況は「559番」によって「ローズが裏切った」とシャドウに誤って報告され、オリアナ王国編の物語をさらに大きく動かす火種となります。
第10巻の見どころ:シドの“格好良さ”と次巻への期待
1. 勘違いが生む最高のコメディと爽快感
本作最大の魅力は、シャドウの**「陰の実力者ムーブという妄想」と、シャドウガーデンの「シャドウ様の深謀遠慮という誤解」**が生み出す温度差です。
- シドが適当に振る舞う
- → アルファたちが「神の采配だ!」と感動する
- → 結果的に世界が救われる
この一連の「勘違いの応酬」が、全ての事態を最良の方向へ収束させる爽快感は、他の作品では味わえない特別なカタルシスを提供してくれます。
2. 「ジョン・スミス」が示す圧倒的な実力
「ジョン・スミス」としてのシドの暗躍は、彼のモブを演じる裏に隠された圧倒的な実力を再認識させてくれます。市場を混乱させ、大商会連合を崩壊させる手腕は、彼の常人離れした能力の証です。
特に、月旦との戦闘における金貨を巡るやり取りは、シャドウの人間離れした感性と、それが引き起こす極上の喜劇性を象徴する場面と言えるでしょう。
3. オリアナ王国編で物語はさらなる高みへ
ミツゴシ商会騒動という大きな区切りを終え、物語がオリアナ王国という新しい舞台へ移行することで、読者の期待は最高潮に高まります。
ローズ会長は故国でどのような真実と直面するのか? シドはモブとして、あるいはシャドウとして、どのように状況を引っ掻き回すのか? 新キャラクターのヴィクトーリアの登場も含め、今後の展開から目が離せません!
読者の熱狂的な評価:「気持ち良い」展開が止まらない
第10巻は、読者からも「いつも通り勘違いが勘違いを呼び、最終的には良い着地点に収まる展開が**『気持ち良い!』**」と絶賛されています。
特に、アルファがシャドウへの不信感を乗り越え、より深い尊敬の念を抱くに至る心情の変化は、ファンから非常に好評です。ストーリーのテンポが良く、次々と起こるイベントに飽きさせない構成も高い評価を受けています。
あなたも『陰の実力者』の”勘違い”の世界へ
この第10巻を読めば、なぜこの作品が多くのファンに愛されているのかがきっと分かります。
シドの無自覚な格好良さ、シャドウガーデンの健気な誤解、そして壮大な陰謀が交錯する極上のコメディ×バトルファンタジー!
ぜひ手に取って、この「気持ち良い」勘違いの応酬を体験してください!

