【呪術廻戦】11巻徹底解説|渋谷事変開幕!五条悟封印という絶望と激動の転換点

呪術廻戦

『呪術廻戦』の物語において、最も読者に衝撃を与え、作品の空気を一変させたエピソードといえば「渋谷事変」をおいて他にありません。その本格的な幕開けを飾る第11巻は、世界の均衡を一人で支えていた「現代最強の呪術師」五条悟が封印されるという、シリーズ最大級のパラダイムシフトが描かれます。

今回は、11巻(第89話〜第97話)に凝縮された圧倒的な熱量、盤上の駒を動かすような緻密な戦略、そしてキャラクターたちの交錯する想いを徹底的に深掘り解説します。

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1. 渋谷事変の幕開け:地獄と化したハロウィンの街

2018年10月31日、19時。ハロウィンで賑わう渋谷の街に、突如として半径400mの「帳(とばり)」が降ろされました。

この事変が呪術史に残る最悪の事件となったのは、敵(呪霊・呪詛師側)が単なる力押しではなく、「人間心理」と「五条悟という男の性質」を徹底的に分析し、付け入る隙を突いたことにあります。帳の中に閉じ込められた数万人の一般人は、いわば五条悟を縛り、その手足を封じるための「生きた鎖」。

一般人を守るために全力を尽くし、犠牲を最小限に抑えようとする五条の「善性」と「プライド」こそが、最強の男を袋小路へと追い詰めるための最大の武器として利用されたのです。非術師がひしめく閉鎖空間という舞台設定自体が、五条への死刑宣告に等しい巧妙な罠でした。

2. 五条悟 vs 特級呪霊:0.2秒に込められた神業

地下ホームで待ち受けていたのは、漏瑚、花御、そして脹相という特級の面々。彼らの目的は五条を打ち倒すことではなく、「獄門疆(ごくもんきょう)」の発動条件である「半径4m以内での1分間の拘束(脳内時間)」を稼ぐことにありました。

0.2秒の領域展開「無量空処」

周囲を一般人に囲まれ、大規模な術式を使えば彼らの脳を破壊してしまうという極限状態。そこで五条が選択したのは、常人の理解を超えた**「0.2秒間だけの領域展開」**という神業でした。

  • 通常の領域展開: 非術師がその空間に数分留まれば、流し込まれる情報の濁流によって脳は廃人化し、死に至る。
  • 0.2秒の極限発動: 非術師に後遺症を残さないギリギリのライン(約半年分の情報量)を攻めつつ、同時に1,000体以上の改造人間をわずか299秒で全滅させる。

このシーンは、五条悟が単に呪力量が多いだけでなく、緻密な計算力と状況判断力においても「神の領域」に達していることを証明しています。しかし、この究極の集中力を要する技の直後、彼を最大の「衝撃」が襲います。

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3. 「獄門疆」の罠:親友・夏油傑の再来と精神の亀裂

勝利を確信した五条の前に、特級呪物「獄門疆」が姿を現します。しかし、五条が封印を許してしまったのは、呪物の性能以上に、彼の内面に生じた「一瞬の隙」が原因でした。

五条の前に現れたのは、かつて自らの手で引導を渡したはずの唯一無二の親友・夏油傑。

五条の「六眼」は、目の前の男が偽物である情報を伝えますが、彼の魂と記憶はそれを拒絶しました。脳内に溢れ出した「高専時代の3年間の青い春」の記憶。その主観的な時間が「1分」を超えた瞬間、最強の男の自由は奪われ、獄門疆に飲み込まれてしまいました。

「おやすみ五条悟。新しい世界でまた会おう」

偽夏油(羂索)の冷徹な言葉とともに五条が封印される描写は、物語から「絶対的な安全圏」が消滅したことを告げる絶望の鐘の音でした。

4. 動き出す各班:五条不在という未曾有の危機

五条封印の報せは、瞬く間にメカ丸(ミニメカ丸)を通じて高専関係者に伝達されます。ここから11巻の物語は、戦力の分散した各班がそれぞれの戦場で足掻く、緊迫の群像劇へとシフトしていきます。

呪術高専各班の布陣と決死の戦略

  • 七海班(七海建人、伏黒恵、猪野琢真):渋谷駅の入り口を制圧し、一般人の救出と五条救出の足がかりを築く。一級術師・七海の冷静沈着な指揮のもと、若き術師たちがプロの現場を体験します。
  • 禪院班(禪院真希、釘崎野薔薇、直毘人):禪院家当主・直毘人の「投射呪法」という特異な術式が披露され、呪術バトルの戦略的奥深さが一段と増します。
  • 虎杖悠仁と伏黒恵の共闘:主人公・虎杖と相棒・伏黒が、言葉を交わさずとも意図を汲み取り合う連携で、強敵(粟坂など)の弱点を見抜いて撃破するプロセスは圧巻。二人の確かな成長と、互いへの信頼が、暗雲立ち込める渋谷において唯一の希望の光として描かれています。

5. 11巻の見どころ:緻密な演出とキャラクターの魅力

  1. 「地図」による俯瞰的な演出渋谷の入り組んだ地下構造や、誰がどの帳を破壊しようとしているのか。作中に挿入されるリアルなマップにより、読者は刻一刻と変化する戦況を俯瞰的に把握でき、まるでチェス盤を眺めるような知的興奮を味わえます。
  2. 七海建人(ナナミン)の「大人」としての矜持11巻の表紙を飾り、物語の中核を担う七海。普段は「労働はクソ」と言い放つ彼が、教え子たちの前で一級術師としての背中を見せ、理不尽な事態に静かな怒りを燃やす姿は、多くの読者の胸を打ちます。
  3. 降霊術と過去からの刺客オガミ婆による「肉体の降霊」。それは、現代の術師たちが経験したことのない「過去の理不尽なまでの強さ」が戦場に回帰することを意味し、物語にさらなるカオスと予測不能な恐怖をもたらします。

6. まとめ:物語は「五条悟の救出」という新フェーズへ

第11巻の結末を境に、作品の構造は劇的な変化を遂げました。

これまでは「最後は五条悟が解決してくれる」という暗黙の了解がありましたが、その前提は崩壊しました。ここから描かれるのは、**「神を失った世界で、残された人間がいかにして地獄を生き抜くか」**という過酷なサバイバルです。

呪霊たちが放つ底知れない悪意、そして大切な人を守ろうとする術師たちの命をかけた意地。

『呪術廻戦』の面白さと残酷さが極限まで凝縮された11巻は、読み返すたびにその緻密な伏線と絶望感に圧倒される、まさにマスターピースと言えるでしょう。

次に読むべきは?

五条不在を好機と見た呪霊たちの暴走、そして虎杖の中に眠る「両面宿儺」の動向。戦いがもはや制御不能な次元へと突入する第12巻からも目が離せません!

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