呪術廻戦考察チーム読了目安 6分
『呪術廻戦』10巻は、物語全体における重要な転換点となるエピソードが凝縮された一冊です。前巻から続くメカ丸(与幸吉)と真人の壮絶な死闘が幕を下ろし、その余韻も冷めやらぬうちに、呪術師と呪霊・呪詛師の全面戦争とも呼べる「渋谷事変」が遂に幕を開けます。この巻では、登場人物たちの葛藤、圧倒的な力を持つ者の存在、そして避けられない悲劇が鮮烈に描かれ、読者に大きな衝撃と興奮をもたらします。
10巻のあらすじ:メカ丸の覚悟と渋谷の異変
『呪術廻戦』10巻は、かつて呪霊側に通じていたメカ丸こと与幸吉が、真人と対峙する緊迫した場面から始まります。メカ丸は、天与呪縛によって不自由な肉体を持つ自分を治癒させるという約束と引き換えに呪霊側に情報を提供していましたが、その取引の破綻を悟り、自身の全てを賭けて真人との最後の戦いに挑みます。彼は五条悟への連絡を試みるも、真人と夏油傑(偽物)によって阻まれ、まずは眼前で笑う真人を祓うことに専念することを決意します。
メカ丸は、これまで秘匿してきた究極メカ丸・試作0号を駆使し、真人の術式である「無為転変」を攻略するための独自の戦術を展開します。しかし、真人の想像を絶する成長と、冷酷な策略の前に、メカ丸の覚悟は無残にも散っていきます。彼の命が尽きた時、物語は新たな局面へと突入します。
メカ丸の死闘からおよそ1ヶ月後の10月31日、ハロウィンで賑わう渋谷に突如として「帳(とばり)」が降ろされます。この帳は一般人の出入りを遮断するものの、呪術師や呪霊の出入りは可能という特殊なものであり、渋谷駅周辺は瞬く間に呪術的な封鎖空間となります。呪霊と呪詛師連合の目的は明確で、それは「最強の呪術師・五条悟の封印」です。この大規模な計画のために、多数の一般人が渋谷駅構内に閉じ込められ、人質として利用されます。事態は一気に緊迫感を増し、五条悟を狙った呪霊・呪詛師たちの巧妙かつ大規模な罠が、渋谷の街全体に張り巡らされていく様が描かれます。
ネタバレ詳細:不可避の悲劇と最強の覚醒
本巻に収録されているのは第80話から第88話です。
- メカ丸の死闘と最期: メカ丸(与幸吉)は、真人の「無為転変」によって一度は肉体を治癒させることに成功しますが、それはあくまで真人が与えた一時的なものであり、彼らとの交渉は決裂に終わります。与幸吉は、自らの魂と、仲間を守るという強い意志を胸に、秘策のメカ丸を操り真人と対決します。彼の真人に与えたダメージは大きいものの、真人の予想を超える成長と、最終的な「多重魂」による攻撃によって、力尽き敗北し、死亡します。彼の最期は、読者に大きな悲哀を残しました。
- 渋谷事変の開幕: 10月31日、渋谷に突如として複数の「帳」が降ろされ、本格的に「渋谷事変」が始まります。この事変は、呪霊・呪詛師連合が練りに練った、五条悟を封印することを最大の目的とした大規模な作戦であり、日本の呪術界全体を揺るがす未曾有の危機として描かれます。
- 一般人の大規模な巻き込み: 渋谷事変では、ハロウィンの喧騒の中にいた多数の一般人が呪術師と呪霊たちの戦いに否応なく巻き込まれます。呪霊たちは躊躇なく一般人を殺害し、その生々しい描写は物語にこれまでにないシリアスさと重厚さをもたらします。
- 五条悟の圧倒的な力: 渋谷駅構内へと単身で乗り込んだ五条悟は、漏瑚や花御、脹相といった特級呪霊たちと対峙します。彼らを相手に、五条悟は自身の「無下限呪術」と「赫」「蒼」「茈」といった術式を惜しみなく展開し、その圧倒的な戦闘能力と規格外の強さを見せつけます。
10巻の見どころ:感情を揺さぶる名シーンの連続
メカ丸VS真人の決着
この巻の最大のクライマックスの一つは、メカ丸と真人の最終決戦です。自身の肉体を取り戻すための代償として呪霊側に協力していたメカ丸が、最終的には自身の命を賭けて真人と戦うシーンは、非常に感情的で感動的です。三輪霞への秘めたる想いや、「まともな体でみんなと過ごしたい」という彼の切なる願いが描かれ、読者の涙を誘います。
五条悟の「最強」の証明と孤高
渋谷駅構内での五条悟の立ち回りは圧巻です。彼を封印するためだけに、どれだけ大規模で手の込んだ罠が仕掛けられているか、そしてそれを軽々と跳ね返す五条の強さは際立っています。しかし、その強さゆえに彼は常に孤立無援の状況に置かれることも示唆されており、彼の人間的な苦悩も垣間見えます。
渋谷事変の極限の緊迫感
民間人が多数巻き込まれる中で、呪術師たちがどのような選択を迫られるのか。帳によって閉じ込められた渋谷の状況や、呪霊・呪詛師側の巧妙な作戦が詳細に描かれ、物語全体の緊迫感が最高潮に達します。
読者の感想:悲哀と興奮、そして深まる物語への没入
『呪術廻戦』10巻を読んだ多くの読者からは、様々な感想が寄せられています。
特に、メカ丸の悲劇的な最期に対しては、「報われてほしかった」といった、彼の死を悼む声が多数を占めました。また、渋谷事変の始まりに関しては、「壮絶な展開で目が離せない」といった感想が多く、物語のシリアスなトーンがさらに強まったことを強く感じさせます。
五条悟の圧倒的な強さには、多くの読者が驚きと興奮を覚えています。「五条先生強すぎ」「規格外」といった声が多数あり、彼一人を排除するためにこれほど大規模な策が練られることからも、その存在感が際立っていることが再確認されました。
総じて、この10巻は、今後の「渋谷事変」という一大エピソードの導入として、そして物語全体の転換点として、非常に重要な位置づけにあり、読者の期待感を大きく高める一冊となっています。
続きが気になる方は…
渋谷事変の激闘は次巻、11巻へと続いていきます。次の巻の解説を読む
